チェンソーマンなどの作品から考える「漫画かアニメか?」論争

アニメ

書き出し

 人それぞれ好みや価値観が異なるのだから正直結論が出る問題ではない。それでも、これから先ずっとディベートになりうる議題ではあると思うのでこの際、私個人として決着をつけておきたいなと。ちなみに私は断然アニメ派閥の人間であります。それぞれのメリット・デメリット?、得意・不得意?みたいなことを列挙してそれらをもとに最終的な結論を述べようと思う次第。比較せずに媒体単体での特徴も一部記載します。

各メリット・デメリット

1.漫画の【メリット】

  • 作品の結末を必ず見ることができる(作者が途中で筆を置くことにならない限り)

→この時点で勝敗は決したように思うが、まだわからない。

  • アニメよりも早く作品の最新話にありつける

→確かに先は気になるが、人生100年といわれている現代においてそんなに焦る必要性は感じられない。また、別の作品や漫画・アニメ以外の様々な娯楽が存在している以上あまりメリットとはなれないかもしれない。

  • 種類が豊富

→アニメが原作になっている作品もいくつか存在しますが、漫画のほうがプロ・アマの作品問わず大量に生みだされています。漫画であるほうが楽しめる作品の数が圧倒的に多い。あまりに強すぎる利点。

  • 手軽に読める

自分のペースでページをめくって読み進めることができるので忙しい現代の人たちが好む娯楽の在り方だと思われます。アニメだと早送りするくらいしかペースを上げる方法はないですからね。(念のため言っておくと個人的には早送りしてあまり見るのは好きではないです。)

2.漫画の【デメリット】

  • 見始めると止まらない

→アニメも確かに先の話が気になってどんどん見てしまいますが、ある程度すると疲れが出てきていったん止まります。おそらく自分のペースで見れない分、話が展開しないで風景とか会話の間(ま)とかを見ているうちに疲労が蓄積されていくのでしょう。一方で漫画の場合、疲れをあまり感じずTwitterとかを見る感覚でどんどん読み進めることができるので止まれない。捉えようによってはメリットかもしれないが、別のことをしなくてはいけないときには困ってしまう。※疲労については大いに個人的過ぎる意見なのでわざわざ箇条書きしなくてもよいかもとも思いましたが、あまりに漫画のデメリットが思いつかなかったので無理やり引き出したという背景もございました。

3.アニメの【メリット】

  • OP・ED・劇中歌・効果音といった音の装飾が施されている

→ご存じ音楽という漫画にはない要素をアニメ作品を通して楽しむことができます。このメリットはとても大きい。物語は見ずに主題歌だけ聞いたことがあるという人もたくさんいるくらい(自分もその手の未視聴のアニメが多い)、音楽単体で楽しめます。

  • 彩り豊かになる

→漫画でもカラーページになっている作品は結構ありますが、基本的には白黒なのでアニメによってカラフルになるのは超絶メリット。

  • キャラクターが動き、生きた肉声がつく

→キャラクターがよりリアリティになって感情移入しやすくなって作品を楽しめると考えます。

  • アニメオリジナル作品の存在

→アニメが原作でコミカライズ(漫画化)された漫画作品はあまり話題になることがなく、そもそも母体数も少ない。この点からアニメで表現できる面白さを漫画に落とし込むのが難しいと考えました。漫画の限界値、アニメの表現の幅広さがうかがえます。

4.アニメの【デメリット】

  • 原作漫画とアニメのギャップ(根っこの問題)

→例えば、アニメ「チェンソーマン」の第一話で主人公のデンジがゾンビの集団に襲われるシーンが挙げられます。原作読者の一部曰く、漫画ではもっと大量のゾンビが襲いかかってきて迫力があったのにアニメではそこまでの切迫感、絶望感を感じ取れないとのこと。アニメを見て抱いたがっかり感のような主張がTwitterで結構流れてきたりしました。 原作に思い入れがある読者ほど自分が漫画をみて感じ取った世界観がアニメ映像で表現されていないと残念に思ってしまうケースが出てきてしまいます。2番煎じ所以の弱点であろう。

チェンソーマン 10 藤本 タツキ(著/文) – 集英社 | 版元ドットコム (hanmoto.com)

根っこの問題について補足

 漫画ではスピード感や壮大さなどの表現をある程度読者側で補完する必要があり、それだけ表現の受け取り方がまばらになってしまいます。もちろん、原作者がスピード感や壮大さを感じ取れるような工夫をしているだろうがどうしても限界がでてきてしまうのは否めないだろう。つまり漫画の表現の幅が読者の力量によって決まってしまうことが多分に含まれていると思われます。 

 一方でアニメは本来読者が補完する表現の幅というのをアニメ制作者側が音楽や演出の仕方等で決めてしまいます。その補完した結果を視聴者は享受するという構図。だからこそ、原作漫画とアニメとを見た時に作品の受け手側でギャップが生じてしまうのでしょう。

 原作漫画から作品を読み始めた人の場合。シーンごとに自分なりに感じ取っているもので作品の世界観というのを無意識に決めていきます。その状態でアニメを見た時に漫画で読んだときと受ける印象が異なってしまうというわけです。

 例えば、漫画で読んだときにはある戦闘シーンがもっと長く感じていたのに、いざアニメを見るとすごくあっさり終わってしまったなど。そんなことがあれば緊迫感がある戦闘シーンだっと思っていたにもかかわらず緊張感がなく拍子抜けしてしまう。アニメのデメリットで記載したチェンソーマンのアニメを見た時の視聴者はこんな気持ちだったのだろう。

結論

 ざっくり結論として言葉にしてまとめると以下のようにそれぞれ派閥の定義を改めてするだけになってしまいました。

  • 手軽にたくさんの作品で物語の内容、作品から受ける印象を自分で決めて楽しみたい人は漫画派
  • 物語の内容だけでなく、音楽や演出等の映像も楽しみたい人はアニメ派

漫画から先に入った場合には、アニメをみてギャップに悩み、アニメから先に入った場合には漫画に物足りなさを多少感じるかも。結局どちらから見始めても気になることはあるようだ。

締め

 もともとアニメは原作の販売促進を目的として作られている面も大きいので最終話まで見ることができない可能性があるという点でリスクがあります。また、上記で述べてきたようにアニメは漫画ほどの量の作品があるわけではない。それでもやっぱり私は物語に重きを置くよりも音楽やかっこいい演出等を見たいアニメ派でありました。先が気になっても漫画には一切手を付けず我慢してきたほどに。

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